初めまして、「スマートシステム ストレングス」主宰者の油谷浩之です。よく名字を「あぶらたに」と誤読されますが、「あぶたに」という爽やかな名前です（笑）。このブログを通じて、健康や肉体強化のために必要な運動、トレーニング、食事などについて、私自身の経験や研究を基にお話していきたいと思います。初回は自己紹介替わりに、私がスポーツトレーナーを職業とするようになったきっかけについてお話しします。

 

＜“もやし”の発芽＞

私は中学から大学までアメリカンフットボール選手（関学）でした。とは言っても、中学時代はもやしみたいな身体つきで、相手に当たり負けばかりで試合に出るにはほど遠いレベル。多感な年頃だったこともあり、それを克服してやろうという気持ちより、思い通りにならないことの多さにふてくされた気持ちで部活や学校生活を過ごしていました。

その転機となったのが、中学最後の試合（甲子園ボウル）。補欠の３年生を試合に出してやれ、みたいな温情で起用されて、その時、試合結果を全く覚えてないくらい大きな屈辱を覚えました。「強くなりたい、もっと大きくなりたい」。そんな闘争心が“もやし”に芽生えたのです。

 

＜バーさんとベルさんに恋して＞

しかし、そう思って高校生活のスタートを切った矢先、足を骨折。がーん。と出端を挫かれて「やっぱり、俺はそんな星の下・・・」と半ば自暴自棄になりながらも訪れたボディビルのジム。そこでバーベルに出会いました。それが、不思議なくらいにやればやるほど効果が身体に現れる。人は裏切るし、ウソもつく。世の中は思うようにいかないことばかり。でも、バーベルだけはウソをつかず、やっただけの成果を思うように与えてくれる。それが嬉しくて、バーベルにのめり込んで行きました。それは、友人たちから「油谷の恋人は、バーさんとベルさん」と言われるほど。

やがて、体重が20kgアップ。身体が大きくなると、アメフトで相手に当たり負けしなくなり、そこからメキメキと上達していきました。大学時代も含めてアメフト一心に情熱を注いだ日々は、私の大きな基盤となっています。現在、母校の大学でアメフトのコーチをしていますが、教え子たちによく言うのは、「人は裏切ったりウソをついたりもするが、トレーニングだけは裏切らない。やっただけ、身体にその成果が現れる」ということです。

 

＜“自己流”大失敗からの学び＞

何が何でも身体を大きくしたいと思っていた時、ひとつ間違ったことをしました。ボディビルダーの人たちがプロテインを飲んでいて、１kg入りの袋を2週間で空にすると知り、それであんなムキムキ兄さんになるなら俺は1週間で１kg飲んでやる！とそれを繰り返し続けました。そしたら、顔がパンパンに腫れて、もう、汗までプロテイン入りのような身体になり（笑）・・・。後に、１日に30g以上飲んでも脂肪に変わるか排出されるだけと知った時は、唖然。即効性への想いが先行した自己流のむちゃなやり方を反省しました。あの努力と時間をもう少し効率的に正しい方向に費やしていたら・・・と未だに思います。とは言え、その頃は今みたいにスポーツ科学の研究成果がまだまだ広く一般に認知されておらず、トレーニングは十把一絡げ。陰で自己流に努力することが、却って遠回りになるなどという考えには至りませんでした。今振り返ると、そういった経験の中に、「遺伝子レベルでの個々に見あった効率的なトレーニング」を追究する私のキャリアの原点がある気がします。